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2017.01.13 Friday

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    「渋谷シネマライズ閉館」に関して

    2015.10.14 Wednesday

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      渋谷を象徴するミニシアター、シネマライズの閉館が発表された。

      http://natalie.mu/eiga/news/162494

      2011年のシネセゾン渋谷、2014年の吉祥寺バウスシアターに続き、僕の中で静かに何かが崩れ落ちるようなショックを少なからず受けてながら、キーボードを叩いている。

      「シネセゾン渋谷閉館に関して」
      http://gnyuske.jugem.jp/?eid=137


      僕はバウスシアター閉館について何も記事をアップしていなかった。
      (正確に言えばしているのだが、今読見返すとちょっとおふざけが過ぎたので、リンクは貼らない)

      シネマライズが閉館するという背景について、素人の僕があれこれと想像をめぐらせて書いていても仕方が無いので、ひたすら個人史と照らし合わせて書こうと思い、シネマライズの過去公開作品のページを年代毎に開いてみた。

      http://www.cinemarise.com/theater/archives/

      1997年、僕は大学進学を機に仙台から上京し、吉祥寺へ住み着いた(現在もだ)

      じゃあ、1997年にシネマライズで何か映画を観たかというと実は観ていなかった。

      http://www.cinemarise.com/theater/archives/1997/

      もちろん、このリストにある映画の大半は観ている。
      「トレインスポッティング」「ファーゴ」「奇跡の海」「シド・アンド・ナンシー」「ブエノスアイレス」
      どれも、シネマライズの映画という印象が強いし、何なら全てシネマライズで観ていたような錯覚すら覚えている。しかし、実際には別の場所、別の時間に観た映画ばかりであったのだ。

      僕の住んでいた吉祥寺にはバウスシアターという2014年に閉館した映画館があった。2000年代、映画を狂ったように観ていた僕は主にバウスシアターを主戦場に善し悪しも判断せずに映画を観ていた。
      ある時期より、全てでは無いがかなり高い確率で、シネマライズで公開終了となった作品がバウスシアターでレイトショーなどで公開されるようになった。慣れてくると、「この作品は待っていればバウスでかかるだろうから、そのとき観るか」といった判断はかなり容易となった。
      しかし、僕は実際にはバウスで観た映画もシネマライズで観たという錯覚を長い間感じていたのだ。

      他の映画館で観ようと、DVDで観ようと、「シネマライズで観たような気がする」といった錯覚を感じさせること、それこそがシネマライズの特殊性を最も端的に表現できると思う。

      僕はシネマライズの映画ばかりを観たのだ。

      過去公開作品のリストを更に紐解くと印象的な年がいくつかあった。

      1999年〜2000年
      http://www.cinemarise.com/theater/archives/2000/


      実は初めてシネマライズに行ったのはこの年である。レオス・カラックス監督作「ポーラX」を観たのだ。20歳の僕は初めて「映画」と出会った。劇場は超満員だった。シネマライズの一番端の席で、高い位置のスクリーンを見上げていた。上映終了後、救いの無い終わり方のせいで静まり返った館内の雰囲気を今でも覚えている。

      2001年〜2002年
      http://www.cinemarise.com/theater/archives/2002/

      リンクを貼った2002年公開作品は、マシュー・バーニーの作品以外は全てシネマライズで観たことを鮮明に覚えている。
      「リリイ・シュシュのすべて」を観終えたときのあの感情。
      「DOGTOWN&Z-BOYZ」を観終えたときのあの高揚感。
      あの頃のフランソワ・オゾンの無敵感。
      「青い春」のエンドクレジットに使われた、ミッシェル・ガン・エレファントの「ドロップ」。

      ここから2006年あたりまでが一番良くシネマライズへ足を運んだ。

      http://www.cinemarise.com/theater/archives/2003/

      http://www.cinemarise.com/theater/archives/2004/

      http://www.cinemarise.com/theater/archives/2005/


      ソフィア・コッポラ「ロスト・イン・トランスレーション」は世界中の映画ファンが、世界各地で観ただろう。しかし、映画が終わり、映画館の外に出るとそのまま映画の舞台となった渋谷の街に飛び込むことができるという体験を与えたのは、世界中探してもシネマライズ以外に無かった。

      そして僕にとって最も大事な映画の一つである、ガス・ヴァン・サント監督「ジェリー」はシネマライズで観たのだった。その後、バウスシアターでも爆音上映などで何度も観た。

      ガス・ヴァン・サント監督〜「GELLY(ジェリー)」に関して
      http://gnyuske.jugem.jp/?eid=31

      「ジェリー」がまた観たい。
      ガス・ヴァン・サントの映画がまた観たい。
      しかし、シネセゾン渋谷を失い、シネマライズを失い、もはやガス・ヴァン・サントの作品を最高の環境で観れる場所は世界中のどこにも無い。
      シネマライズを失うことは、ガス・ヴァン・サントという偉大な映画作家を失うことに等しい。
      今後も作られるであろう彼の新作は、ネットフリックスでもHuluでもAmazonプライムでも観れるようになるだろう。しかし、そこにもはやフィジカルな映画体験は無く、彼の作品はネット回線を漂う塵となって埋もれていくことを意味するのだ。

       

       

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