スポンサーサイト

2017.01.13 Friday

0

    一定期間更新がないため広告を表示しています

    ラリー・クラーク「パンク・ピカソ展」に関して

    2004.10.05 Tuesday

    0


      提出し忘れた夏休みの宿題を今さらまとめて提出されたような大雨の降る中、青山にあるワタリウム美術館に行ってきた。
      10月1日から、ラリー・クラーク「パンク・ピカソ展」が開催されている。

      平日の午後ということもあるし、天気も最悪ということもあって、開催したばかりだというのに、客はほとんどいない。
      僕の行った時はちょうど他の客が一人もいなくなり、ラリー・クラークの作品を独り占めして、十分に堪能できた。
      都心の美術館でこんなに贅沢な時間を過ごせるのはワタリウム美術館をおいて他にないのでは?
      そういえば、以前アンディ・ウォーホルの展覧会に行ったときも、ウォーホルを独り占めすることができた。

      今回の「パンク・ピカソ展」は、写真家ラリー・クラークの出生、思春期の写真からはじまり、レコードや、新聞記事のスクラップ等、彼に関する248点の作品が並べられ、会場には、彼の好きな音楽が流れている。コルトレーン等のジャズが中心だが、時折、ボブ・ディランなども流れ、その空間は彼の人生を再現する試みをもって構成されたと思われる。


      「BULLY」

      ラリー・クラークの存在を知ったのは、彼の写真作品からではなく、彼の映画からであった。
      「KIDS」、「アナザーデイ・イン・パラダイス」、「BULLY」「KEN PARK」、他にも未公開のものがあるようだが、僕が観ているのはこの4本だ。
      ただ、彼の表現は写真であろうが、映画だろうが常に一貫して、「銃」、「麻薬」、「セックス」、「ティーンエイジャー」といったキーワードがつきまとう。
      アメリカの影、日常的な暴力や犯罪を何も隠すことなく映し出すので、彼の作品は常に物議を醸し出すものばかりだ。


      「Tulsa」
      60年代のオクラホマ州タルサ(彼の出身地)の友人達のポートレイトである写真集「Tulsa」には、ヘロインを注射し、乱交を繰り返す若者達の姿が克明に映し出されている。
      (唯一、安価な値段で手にはいる写真集なので、僕も買った。映画から入ったので、そうした写真集からもストーリーを感じとることができ、写真に特に詳しくない僕にもわかりやすいというか、とっつきやすいのだ。)


      「KIDS」

      「パンク・ピカソ展」では、彼の映画からは 「KIDS」に関する写真が数多く展示されていたが、できれば他の映画のスチール写真も見たかった。

      彼が映画に出演してもらいたいと考えていて、集めていたリバー・フェニックスに関する雑誌の切り抜きなどが、一面に展示されているスペースがあった。
      それが少し異様であり、ラリー・クラークは10代のスケーター等の少年ばかり写真に撮っているので、もしやそっち系の人間かと勘ぐれる部分もある。
      まあ、どちらにしても紙一重ではあるだろう。
      ただ、「KIDS」を撮ったときに既に50代であったことを考えると驚きだなあ。(今は60代か?)

      「奈良美智〜from the depth of my drawer」に行く

      2004.09.09 Thursday

      0
        品川の原美術館に「奈良美智〜from the depth of my drawer」を観に行ってきました。

        奈良美智の作品は至るところで目にしていましたが、単独の展覧会を観るのは初めてです。

        何年か前、彼の作品を雑誌か何かで目にしたとき、何て気持ちの悪い絵なのだろうと思いました。
        おでこが異常に広く、目が離れて、2頭身で、いかにも漫画のキャラといった、かわいらしいはずの女の子が、悪そうな目つきでこちらを睨んでおり、手にはナイフを持っています。
        よく考えてみれば『チャイルド・プレイ』のチャッキー(山崎邦正のモノマネでお馴染み)です。

        小さくかわいらしい子供が刃物を持って、こちらを睨んでたらそりゃ気持ち悪いです。違和感ありすぎです。でも、子供って結構残酷です。
        目つきの悪い子も目を閉じるとかわいいです。天使のようです。でも、彼の描く目をつぶった子供達は、寝ているというより、死んでいるように見えます。目をつぶった子供の顔のオブジェがずら〜っと並べられている部屋があるのですが、完全にデスマスクです。

        でも、こういうショッキングなイメージも、もはや「世界の奈良」となってしまった今となっては、至る所で目にすることもあって慣れてしまいます。
        じゃあ、どこがいいのかというと、色彩です。 僕はあの人の書く絵の色がものすごく好きです。殺伐とした内容の絵に、どうやったらあんなにぬくもりのある色を付けることができるんでしょう?色味が優しいからこそ、殺伐さは増します、生で観ると本当に素晴らしい。

        会場の原美術館は、元々私邸だったものをそのまま美術館として使用しています。いつの時代の邸宅かはわかりませんが、大正ロマンみたいなものを感じる、センスの良い豪邸の部屋ひとつひとつに、贅沢に奈良美智の作品が配置されています。結局わざわざ足を運んでまで作品を観にいくということの価値は空間を楽しみに行くことに等しいのだと改めて感じます。

        僕は多分、美術作品はどうでも良くて、美術館に行くという行為だけが好きなんだと思います。平日の昼間にわざわざ品川くんだりまで電車で出向き、更に駅から15分ぐらい(結構遠い)歩いて、美術館に行き、観覧料1000円を支払う。それだけで、目的は達成です。
        こんな感じで、美術館に着くとすぐに帰りたくなります。作品を黙ってみてるのにじれったくなってきます。一応ちゃんと観ますけど。

        美術館で、一つ一つの作品をじ〜っくり時間をかけて鑑賞している人がいますが、あの人達は作品を見ながらどんなことを考えているのか非常に気になります。作品に込められた意味や、メッセージなどをひとつひとつ丹念に読み取ろうとしているのでしょうか?評論家や、美学校生だというのならまだ納得ですが・・・。

        僕が行ったときは、客の9割ぐらいが女性でした。奈良美智、確かにかわゆい絵を描いていますが、どちらかというと、文系な男子に人気があるもんだと思ってました。何か女々しい感じとか。男って女々しいもの好きですよ。
        でもふたを開けてみると、つじあやのみたいな(あくまでもイメージ)文系女子が圧倒的に多かったです。
        そもそも、会場の原美術館自体が、女性的な価値観に重きを置いている美術館だという印象が前からありました。スタッフも女性(つじあやの)が多いですし、男性スタッフもどちらかというと、槙原紀之みたいな中性的な雰囲気を醸し出しているようないないような。槙原紀之みたいに世界に一つだけのケシの花を吸っていそうないなさそうな。

        奈良美智は、自分の好きな、パンクやオルタナティブなミュージシャンを作品に引用します。良く、自分のアトリエを再現して展示したりしてますが、部屋にはそういったミュージシャンのCDが積んであり、壁にはポスター、フライヤーなどが乱雑にちりばめられ、作品中に歌詞の引用を載せたりしています。
        その中でも、奈良美智の作品にぴったり合うのは、Flaming Lips でしょう(単に僕が好きなだけですが)。
        あの、無邪気さと、破壊的な感じが同居している感じが奈良美智作品とシクロしているようにも思えます。いつか、Flaming LipsのPVに、奈良美智がアニメか何か作ってもちっともおかしくないです。ちゃちいのでいいからアニメやってくれないかな。

        では、最後にFlaming Lipsの最近の名曲からの引用。

         
         わかるかい?あんまり幸せだと泣けてくる
         わかるかい?君のしっているひと全員がいつかは死ぬ
         別れの言葉を何度もくりかえすよりも みんなに教えてやれ
         人生は短く いいことは長続きしないものだと
                           「Do You Realize?」


        1