Tennage Fanclub(以下、テ ィーンエイジファンクラブ)が今年の
サマーソニック09への出演が決まったとのことだ。久しぶりの新アルバムがリリースされるとのことだったので、来るだろうなあとうっすら思っていたが、こうして改めて確定情報を得ると喜びもひとしおだ。
イギリスはグラスゴーを代表するバンド、ティーンエイジファンクラブのライブは過去3回観ている。初めて観たのは、記念すべき第1回目のサマーソニックであった。この時のサマーソニックは今のように会場が幕張ではなく、山梨県の富士急ハイランドだった。ステージの数も今のようにいくつも無くて、メインステージと、セカンドステージの2つだけであった。
第1回目のサマソニは今思うとよだれモノのメンツ揃いで、僕は2日目だけに行ったのだけど、1日目のメンツも今から思うと凄い。ジェームス・ブラウンやアレステッド・ディベロップメントなんてなかなか観れ無さそうなメンツがいるし、セカンドステージには、フレインミング・リップスやイールズ、グランダディがいて、シガーロスやコールドプレイがイールズやらスーパーカー、イースタンユースよりも全然前の出番だってのも凄い。
summersonic 2000
僕が行ったのは2日目だ。確か記憶を辿るとアット・ザ・ドライブインを観て、スナッグ、くるり、タヒチ80と観て、ウィーザーを観て、ティーンエイジファンクラブを観た。
この日のターニングポイントはウィーザーであった。ウィーザーを観て、そのまま残ってグリーンデイを観るのか、あるいは移動してティーンエイジファンクラブを観るのかという選択肢が多くのギターロックファン達に突きつけられた。
グリーンデイを観るか、ティーンエイジファンクラブを観るか。
この当時のグリーンデイはまだ、メロコアの旗手のような存在でまあ言ってみれば、元気が良く、マッチョなイメージさえどこかかしらあった。比べてティーンエイジファンクラブは雑な言い方をするとナードな癒し系といった(雑な言い方だと)イメージがあったと思う。
更に雑に言ってしまうと、体育会系か文化系かみたいな違いなんだろうと思う。よくよく考えればウィーザーを通過している上で、バリバリの文化系なのだが、その中でも小さな差異はあって、「文化系の体育会系」とよりピュアな文化系とに分かれていくのである。ただ、これは興味の無い人々にとってはあまりにも瑣末なくだらない差異にしか映らないと思う。
わかる人にしかちっともわからないような話だけど、これはあくまでも僕の印象であって、実際のバンドの音楽性から受ける印象とはあまり関係無い。
何にせよ、グリーンデイ(当時の)を観に行くような人達は、頭にタオル巻いて短パン姿のような男子が多くて、ティーンエイジファンクラブに行くような人達は、暑くても細身の長ズボン、メガネ率高しみたいな男子が多いのだ。(雑な見方だけど。)
グリーンデイ(あくまでも当時の)を観に行くような人達は、「パーティーしようぜ!」みたいなノリが好きな人が多くて、ティーンエイジファンクラブに行くような人達は、公園で一人でヘッドフォンで音楽を聴くのが好き、みたいな人が多いのである。(本当に雑な見方だけど。)
で、僕はメガネをかけていないし、暑いので短パンを履いていたけど、迷うことなくティーンエイジファンクラブを観に行った。
2000年8月6日、22歳になる2日前のことだ。
ウィーザーが演奏したメインステージから、ティーンエイジファンクラブが演奏するセカンドステージまでは歩くと15〜20分くらいかかるほど遠い。セカンドステージはあまり広くないと、時間がギリギリになると最悪入場規制がかかり、観れなくなる可能性がある。ウィーザーのステージが終わる少し前、あと1,2曲を残して移動を始めた。何故なら同じように、ウィーザーを観て、ティーンエイジファンクラブを観ようと考えている人達がたくさんいて、ポツポツとそうした人達が移動を始めるのがわかったからだ。ステージではウィーザーが「Surf Wax America」を演奏していた。凄く名残惜しかった。
セカンドステージまでの道のりを多くのティーンエイジファンクラブのファン達が走っていた。僕も負けじと走った。皆、小走りなんてもんじゃなくできる限りの速さで走っていた。入場規制がかかる前に、少しでもステージの近くに、という想いに駆り立てられていた。
30歳の今だったら、ウィーザーを観ないで、最初からセカンドステージに陣取ってティーンエイジファンクラブを待っているだろうが、当時は欲張りだった。どっちもどうしても観たかったのだ。そして、全く同じ考えの人達がたくさんいて、皆一斉に同じ方向に向かって走っていたのだ。勢い余ってこける者もいた。それはそれは愉快な光景で、笑いながら走っていた。
バンドが登場して、1曲目が始まった。「everything flows」というファーストアルバムの1曲目、多くのファンに取ってはティーンエイジファンクラブとの出会いの曲であり、イントロからディストーション全開で一斉に音を鳴らすので会場はとてつもない盛り上がりを見せた。ただ僕はファーストアルバムをCDでもMDでも音源を持っていなく、「everything flows」は良く知らなかったので、一人だけ乗り遅れた感じを受けたのを良く覚えている。他のアルバムの曲は大体聴けばすぐに曲名が出るくらいまで聴いていたが、そのアルバムだけは何故かちゃんと聴いていなかった。ギターのディストーションが強く、非常にノイジーな曲なので、ほとんどどんなメロディなのかもわからなかった。でも、凄く良い曲だということだけがわかった。今まで聴いてきたティーンエイジファンクラブの曲の中で一番良い曲だと感じた。
太陽が落ちきっていなかったので、屋内型の会場であるセカンドステージの中に外の光が差し込んでいた。
最後の曲は「the concept」だったと思う。もう陽は落ち切っている。「I did't want to hurt you oh yeah〜」の所と、後半テンポが落ちて、ふ〜う〜ふ〜うう〜とハミングが続くところはもう大合唱。
この1曲目と、最後の曲の光景をずっと覚えている(その間は全く覚えていないのだが)。どういう角度からバンドメンバーを観ていたか、どういう光が当たっていたか、どういう音が鳴っていたか。どんな会場でどんな天井だったか。
文字に起こすことは不可能だが、その時の全部が記憶に焼き付いている。
その後2回ティーンエイジファンクラブのライブに行ってるし、その内1回は2005年のサマーソニックなのだが、不思議なことに全く覚えていない。
今年、10周年を迎えるサマーソニック09で彼らが久々に来日するのだが、まるで10年ぶりくらいに彼らのライブに行くような感覚にさえなっているのだ。
彼らの音楽は大抵”エバーグリーン”やらそんな形容をされる。聞き込めばアルバム毎に音楽性は変化してきているが、『相変わらず』な良さがある。記憶に焼き付いている1回のライブと、全く記憶に無い2回のライブ。どちらも彼らは同じように『相変わらず』な演奏をしていたのだろう。違いがあるとすれば、多分に僕自身の方だ。今回のライブは記憶に残るものとなるのだろうか。
「everything flows」より(超意訳 by gnyuske)
See you get older every year
But you don't change
Or I don't notice you changing
I think about it every day
But only for a little while
And then a feeling
毎年、年をとっていくのに、君は変わらないなあ
僕が気づかないだけかもしんないけど
毎日そんなこと考えてるよ
でも、ふとそう思うだけで、それから感じるんだ
A Catholic Education